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100年前、大正時代の未来予測は案外当たっている

今から100年後の未来を想像したことがありますか?

現代は疫病や紛争、災害が多発しているためか、令和の私たちは暗い未来を予想してしまいがちです。しかし今から100年前、明治から大正にかけての未来予測では明るい未来を想像していただけでなく、その内容も案外当たっていたのです。

交通・通信の予測

未来予測の中でも、鉄道や通信技術などについては驚くほど的中しています。

中には「未来では葉巻型の列車で東京~神戸間2時間半で着く」など、新幹線の速度まで当てられています。ちなみに当時の東京ー神戸間は17時間もかかっていたそうですよ。

通信技術の予測も的確で、リモートワークが定着し、ウェブ上で行える会議システムが一般化した現在ですが、100年前にもすでに登場が予測されていました。

芝居も寄席も居ながらにして観たり聴いたりでき、遠距離の人間とも話ができる」システムは、今のスマートフォンやネット配信、ネット会議システムで実現していますね。

女性の社会進出

女性に関する未来も多く、女性議員や女性警官の登場、外に出て働く女性が増え、男は背中を丸め、寂しそうに家で洗濯する絵が添えられています。

この頃は「男性化する女性」があり得ない存在だったようで、宮武外骨『滑稽漫画館』という本でも、ひじを突いてだらしなく眠る「男のような女学生」が描かれています。

多様な働き方が定着しつつある今では当たり前の光景ですが、明治では「未来の出来事」で想像するほど、女性の社会進出は珍しいものだったのでしょうね。

しかし、現在でも日本は女性議員の割合が先進国で最下位なのが残念です。

医療の発達

医療の発展については「切開術は電気技術のため苦痛がない(麻酔や手術機械の発達)」や「気球で空を飛ぶ病院(ドクターヘリ?)」。

応急処置の進歩や、当時は不治の病だった結核が治るなど、実現した予測もありました。

また、挿絵には「義首の発明」が描かれていますが、これも顔形を変える意味なら整形手術で実現しています。明治の小説家黒岩涙香の小説『幽霊塔』でも、整形手術がスピリチュアル風な最新技術として登場しています。

一方で、当時の医学博士の予測によると「社会が複雑になると新しい病気が起こり、予防治療の問題は果てしがない」とあって、これは今のコロナ禍に通じるものがありますね。

おわりに

未来予測とは、その時代ではまだ実現できないことを想像するものです。

100年前の予測が現実化し、人々の暮らしは便利になりましたが、新たな紛争や疫病が発生しています。次の100年後の未来予測は、一体どんなものになるのでしょうか…。

▼参考文献
・書籍:『百年前の未来予測』
・Web:Oricon News 100年前に予想されていた「スマホ」の姿 大正時代に描かれた“日本の未来”脅威の的中率

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  この記事を書いた人
日月 さん
古代も戦国も幕末も好きですが、興味深いのは明治以降の歴史です。 現代と違った価値観があるところが面白いです。 女性にまつわる歴史についても興味があります。歴史の影に女あり、ですから。

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