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夕陽を眺める仏教イベント「日想観」と四天王寺の関係とは?

 日想観という行事があることをご存知でしょうか? 読み方は「じっそうかん」というそうで、春分・秋分の日の行事のひとつ。大阪では「四天王寺」で行われることで有名です。

 四天王寺は夕陽の名所で、日想観を行うにはとても適している場所だそう。日想観の日には多くの人が集まり、身動きが取れないほどなんです。

 そんな日想観について、日想観はどんなイベント?参加方法は?など詳細を調べてみました。

日想観とは?

 日想観は特別な仏教行事。陽の長さから、四天王寺では春分・秋分の日に行われることが一般的ですが、もともとは浄土宗の修行のひとつ。

 日想観は瞑想して心を清めるという修行なので、特にこの日に行うと決められたものでもないようです。

日想観の方法

 日想観は太陽が沈んでいく様子を見て、太陽を感じ、心を落ち着けてその中に太陽を瞑想します。そうすると太陽が沈んだ後も太陽の明かりや暖かさを感じることができ、極楽浄土やお釈迦様を心の中に感じることができるというもの。

 先述したように特にこの日に行うとは決められていないため、いつでもどこでも実践することができます。
西の方角を向いて、座禅を組むなどして夕陽を感じる、それが方法だそうです。

四天王寺で日想観が盛んなのはなぜ?

四天王寺とは

 四天王寺は聖徳太子によって建立された歴史あるお寺。行ったことはなくてもご存知の方は多いかもしれません。

 火災などで失われた建物が多いですが、現在創建当時の飛鳥時代の建物が再現されつくられています。鮮やかな朱の建物はとっても映えます!飛鳥時代に思いを馳せながら散歩したり参拝するのもおすすめです。

 四天王寺では日想観が行われていますが、現在浄土宗ではありません。もともと四天王寺は「天台宗」に属していましたが、戦後に宗派を問わない「和宗」に改宗されました。特に宗派を問わないため、境内には浄土真宗や真言宗などさまざまな宗派の像があったり教えがあったりします。

四天王寺は夕陽の名所

 四天王寺で日想観が毎年行われているのは、四天王寺の周辺が夕陽の名所であることに他なりません。

 四天王寺の最寄り駅は「四天王寺前夕陽ヶ丘」駅。名前からして夕陽の景観が美しそうな場所に建っています。聖徳太子の時代、この周囲にはまだ海が広がっていました。四天王寺がある場所は少し高台になっているため、きれいに海と夕陽を見渡すことができたそうです。

 また、海が合った方角はちょうど夕日が沈む西側。西側には西門という門が現在でも建っていますが、その門の向こうに極楽浄土があり極楽浄土が見られる門として、西門は「極楽門」という別名がついているそう。

西門 通称「極楽門」。
西門 通称「極楽門」。

 現在はかなり埋め立てられており、西側には住宅街や繁華街が広がっているのですが、見晴らしは現在でも良いです。

四天王寺の日想観に参加するには?

日が暮れてたあともライトアップを楽しめる
日が暮れてたあともライトアップを楽しめる

 四天王寺の公式HPから日程が確認できます。2023年秋は9月23日 午後5時20分~と発表されていました。次は2024年春、そして秋…と続いていくので気になる方はチェックしてみて下さいね。場所は先ほど触れた西門(極楽門)です。境内は広いのですが、当日はかなりの人がカメラを構えているはずなのでわかりやすいかもしれません。

 日想観では、西門付近で僧侶の方による読経があります。読経を聞き、夕陽を眺めながら極楽浄土を思い浮かべてみましょう。

日想観を体験してみよう

 日想観についてご紹介してきました。日想観は特に知識や信仰など特別な思いがなくても、自宅でも簡単にできる瞑想。心を落ち着けたい時や清らかな思いになりたいとき、自分と向き合う時にも簡単に体験することができます。

 もちろん余裕がある方は四天王寺で参加してみるのもおすすめ!かつての趣を感じながら、参加してみてはいかがでしょうか。

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  この記事を書いた人
ゆかた さん

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