7/11東京・大手町「庄内藩酒井家シンポジウム」開催

〜昨年の好評を得て、德川宗家19代当主 德川家広氏の基調講演、歴史家の加来耕三氏、酒井家などを迎えてのパネルディスカッション実施〜


鶴岡市城下町観光誘客促進実行委員会(山形県鶴岡市、委員長 石原純一)では、「庄内藩酒井家シンポジウム」を7月11日夜に東京・大手町の日経ホールで開催します。これは、徳川四天王筆頭・酒井忠次を祖とする酒井家3代の忠勝が山形県庄内(現庄内地方)に入部400年を迎えた記念の年となる昨年、実施したシンポジウムが好評だったことを受け、より多くの皆様に「庄内藩酒井家」の存在と今も酒井家の殿様が暮らすまち「山形県庄内地方」を知っていただきたいと企画したものです。

今年のNHK大河ドラマ「どうする家康」で、庄内藩酒井家の祖となる酒井忠次が徳川家臣団をリードする役として大森南朋さんに演じられ脚光を浴びています。忠次は德川家康の義理の叔父で15歳年上だったこともあり、家康を支え天下取りに大きく貢献しました。また、庄内藩酒井家は幕末には江戸市中取締りを担い、戊辰戦争では連戦連勝と強さを誇りました。最後に降伏するも、西郷隆盛の寛大な措置により、その後松ヶ岡開墾、絹織物製造、庄内米ブランド化など酒井家は地元に残り産業振興を進めます。庄内は今も殿が暮らすまちです。

イベントチラシ表
イベントチラシ表

シンポジウムは、德川宗家19代当主德川家広氏の基調講演、続くパネルディスカッションでは、德川家、酒井家、歴史家・作家、歴史番組プロデューサーなど関係者が集い、德川家と酒井家の篤い信頼、幕末以降の庄内藩の動向などを語るプログラムです。入場は有料で事前申込みが必要となります。ご参加の皆様に致道博物館特別展(4/29~6/12)「徳川家康と酒井忠次」の豪華図録(106頁)を進呈します。

なお、このシンポジウムについては、内容のポイントを動画で案内しています。
https://www.youtube.com/watch?v=BhkPzQGOSwA

また、「酒井家庄内入部400年観光ガイドブック」に詳しい情報がございますのでこちらもご覧ください。
https://sakai400th.jp/infomation-guidebook/

皆さまのご来場をお待ちしています。


【イベント概要】
イベント名:庄内藩酒井家シンポジウム
日時: 2023年7月11日(火) 18:45~21:10 (開場:18:00)
場所: 日経ホール(東京都千代田区大手町1-3-7 定員600名)
参加方法: 有料・事前申し込み *詳しくは下記の申込方法をご覧ください
 入場料1000円 
 致道博物館特別展(4/29~6/12)「德川家康と酒井忠次」図録(106頁)進呈

登壇者
登壇者

内容:
 基調講演「德川家康と酒井忠次(仮)」德川宗家19代当主 德川 家広氏
 パネルディスカッション「德川家と酒井家(仮)」
 パネリスト 德川家広氏
       酒井忠順氏 (旧庄内藩主酒井家世嗣)
       加来耕三氏 (歴史家、作家)
       谷口雅一氏 (NHK歴史番組プロデューサー)
 コーディネーター 小林好雄(出羽庄内地域文化情報誌Cradle 編集長)

主催: 鶴岡市城下町観光誘客促進実行委員会
事務局:鶴岡市商工観光部観光物産課
申し込み方法:下記URLからお申し込みください 
https://cradle-plus.com/article/info/sakaike_symposium2023
申込受付:
  受付中~6/30(金) 定員になり次第締め切りとなります
 申し込み・問い合わせ先(業務受託者)
   株式会社 出羽庄内地域デザイン
   tel:0800-800-0806(フリーアクセス)、https://cradle-plus.com/


【登壇者プロフィール】
(1) 基調講演:德川 家広
1965年、東京都生まれ。慶応大卒業後、米ミシガン大学で経済学修士号を取得、国連食糧農業機関FAO勤務の後、米コロンビア大学で政治学修士号を取得。2000年末帰国後フリーの翻訳家、政治経済評論家として活動。著書、訳書多数。2021年6月より公益財団法人德川記念財団理事長。2023年1月德川宗家当主就任。

(2) パネリスト
酒井忠順
1974年、鶴岡市生まれ。獨協大学大学院経済学研究科修士課程修了。旧庄内藩主酒井家19代世嗣。現在、公益財団法人致道博物館理事副館長、一般社団法人荘内酒井歴史文化振興会代表理事、株式会社荘内藩代表取締役。

加来耕三
1958年、大阪市生まれ。歴史家・作家。奈良大学文学部史学科卒業。奈良大学文学部研究員を経て、現在は大学・企業の講師をつとめながら、歴史家・作家として著作活動をおこなう。テレビ・ラジオ等の番組監修、出演などの依頼も多く、「英雄たちの選択」(NHKBSプレミアム)などに出演。新刊に『徳川家康の勉強法』(プレジデント社・2023)など。

谷口雅一
1969年、大阪府生まれ。NHKチーフ・プロデューサー。NHK入局以来、歴史番組や教養番組の制作・開発に携わる。現在、BSプレミアム番組「英雄たちの選択」「新・街道をゆく」、総合テレビ番組「歴史探偵」などを担当。


● 旧庄内藩酒井家について
1.德川家康と酒井忠次
(1) 徳川家臣団リーダーとし、德川一門を統率
忠次は家康の義理の叔父で15歳年上だったこともあり、大事な局面で家康を厳しく諫めることも担い、德川の勢力拡大に大きく貢献しました。東三河の拠点吉田城の城代も務めるなど家臣団リーダーとして一門を統率し家康を支えました。

(2) 旗頭として、様々な戦いで武功
忠次は旗頭として先陣を担うなど数々の戦で功績を上げました。特に長篠の戦では、鳶ヶ巣山砦急襲を信長に進言し、信長の支援も得て勝利し大きく貢献、信長は「海道一の武辺もの」と讃えました。

(3) 「海老すくい」を披露し場を和ませることも
その際に信長から噂に聞く「海老すくゐ」を見せて欲しいと所望され舞うなど、場を和ませることも心得ていました。

(4) 戦国大名家との交渉担当者として、厳しい交渉と高い信頼
忠次は、石川家成、石川数正とともに徳川家の外交を担い、室町幕府、織田家、そして甲斐武田・越後上杉・相模北条などの諸大名家との交渉担当者として厳しい交渉を進めながら、高い信頼も得ていました。織田信長、豊臣秀吉も忠次に高い信頼を寄せました。

2.旧庄内藩酒井家の特色
(1) 藩政改革を進め、「藩校致道館」を創設――今も小学生が「庄内論語」を素読
9代藩主忠徳は文化2年(1805)「藩校致道館」を創設します。幕府が唱えた「朱子学」ではなく、荻生徂徠の「徂徠学」を教学とし、「個性伸長」、「自学自習」を旨としました。現在の小学校から大学院まで相当するクラスがあり、飛び級制度、ゼミにあたる「会業」など先進的な教育が行われました。

(2) 殿様への国替え命令に領民が反対大運動
天保11年(1840)11月、庄内藩主酒井忠器を越後長岡藩へ、長岡藩主牧野忠雅を武蔵川越藩へ、川越藩主松平斉典を出羽庄内藩への転封命令が出されました。これに対し酒井家を慕う庄内藩の領民は5万人の大集会、江戸に上っての駕籠訴などを展開、天保12年7月に転封撤回が正式決定されました。

(3) 戊辰戦争で連戦連勝の強さ
幕末、江戸市中取締りを委任された庄内藩は、幕命により薩摩藩邸の焼討ちを実行したこともあり、会津藩と共に朝敵とされ戊辰戦争に巻き込まれます。庄内藩は豪商酒田本間家の財力で近代兵器も有し連戦連勝の強さを誇りました。

(4) 最後に降伏も、西郷隆盛が寛大な措置
連戦連勝を誇った庄内藩も、天下の形勢により慶応4年(1868)9月に降伏します。会津藩同様重い処罰を覚悟した庄内藩への措置は極めて寛大でした。その措置は西郷隆盛の指示によるもの。以来旧庄内藩士は鹿児島を訪問し西郷に教えを乞うなど、西郷と「徳の交わり」を結びます。

(5) 「南洲翁遺訓」を編み、西郷の教えを世に残す
その後西郷が下野し西南戦争で没した後、明治22年(1889)西郷の賊名が解かれると、翌年、旧藩士たちは西郷から直に学んだことをまとめ「南洲翁遺訓」を編み、西郷の教えを世に残しました。

(6) サムライが刀を鍬に替え開墾し、シルクを紡ぐ
戊辰戦争に降伏した旧庄内藩は、明治5年(1872)旧藩士ら3000名が刀を鍬に替え原野の開拓に挑みます。当時輸出の花形産業であった生糸の産業を興そうと2年で開墾した地は約311ha。その後、庄内は絹産業の一連製造工程が揃う日本唯一の地として発展し、平成29年には日本遺産「サムライゆかりのシルク」が認定され、いま絹の新しいブランドkibisoが注目を集めています。

(7) 庄内藩を支えた湊町酒田、豪商本間家
庄内藩の湊町酒田は、1672年河村瑞賢が開設した「西廻り航路」の米の集積・出荷港として大坂、江戸との交易により大きく栄えます。その交易により財を成した豪商本間家は江戸中期以降、財政難に苦しむ庄内藩を支えました。明治以降も酒井家は酒田米商会所開設、山居倉庫開業など庄内米のブランド化を進めます。平成29年度、「荒波を越えた男たちの夢 北前船寄港地・船主集落」は日本遺産に認定されました。

(8) 今も殿が暮らすまち
西郷の勧めでドイツ留学した旧藩主酒井忠篤、忠宝は、明治12年に留学を終え日本に戻りますが、西南戦争で西郷が没した新政府には活躍する場はありませんでした。忠篤、忠宝は鶴岡に戻り、絹産業など地域の振興に力を注ぎます。こうして庄内は明治以降も殿さまがともに暮らす、全国でも稀有なまちとして独自の道を歩みます。

詳しくは「酒井家庄内入部400年観光ガイドブック」をご覧ください。
https://sakai400th.jp/infomation-guidebook/

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