※ この記事はユーザー投稿です

祇園の守り神・辰巳大明神の不思議な伝説と御利益とは?

京都の花街として有名な祇園。風光明媚な景観は観光客にも人気で、テレビのロケやドラマの舞台としてもよく登場します。誰でも一度は見たことがある方も多いのではないでしょうか。

そんな祇園の守り神的存在としてあるのが小さな神社「辰巳大明神」。辰巳大明神は、祇園を流れているちいさな清流・白川にかかる巽橋の近くにあります。

辰巳大明神の由来は?

辰巳大明神は創建の詳細・変遷・年代不明の神社です。位置する方角が京都御所の南東であり、辰巳(南東)の方角を守護していたということから、辰巳神社と呼ばれたといいます。

京都市が設置している説明書きでは、もともとこの地には旧家があり、その家では屋敷神として白蛇が祀られていたそう。

白蛇は弁財天(芸能の神)のお使いであるといわれています。この周辺には多くの飲食業者があるだけではなく、芸事に従事する舞妓さんや芸妓さんもたくさん。そういった業界から商売繁盛の信仰を集めるようになったといいます。

辰巳大明神の伝説

辰巳大明神は「祇園のお稲荷さん」とも呼ばれ、御祭神は狸。

近くにある巽橋には狸が住んでいて、橋を渡る人をだまして川の中に落とそうとするようないたずらをして人々を困らせていたといいます。そのため、困った人々が協力して狸を祀る祠をたてたところ、いたずらはなくなったのだとか。

辰巳大明神と祇園

辰巳大明神はかつて南にある巽橋の袂に祀られていたといわれ、実は何度か移動しているそう。巽橋の次は新橋の上にあったこともあるそうですが、今では橋の近くの白川南通・新橋通の分岐点にあります。

幕末の1865年にこの辺りで大きな火事があったことも移転に関係しているという説もあるそうです。その以前から祇園は大きくにぎわってきた街。幕末の志士なども多く通った場所でもあります。志士たちや新選組や幕臣のエピソードは祇園と深く結びついています。

現代の辰巳大明神

現在の辰巳大明神は、祇園の芸妓さんや舞妓さんが芸の上達を願う神として、また、周辺に多くある飲食店の商売繁盛の神として信仰されています。朝や夜には手を合わせる芸妓さんや舞妓さんの姿がよく見られます。

辰巳大明神を囲む赤い板、これは「玉垣(たまがき)」といわれ、寄進した人の名前が書かれることも。辰巳大明神の玉垣には有名な俳優さんやお店の名前がずらりと並んでおり、ここからも芸能関係の方からよく信仰されていることがわかるでしょう。

辰巳大明神はとても小さなお社のため、社務所もないし、神主もいません。そのため御守りや御朱印などを貰うのは不可能です。地域の守り神として地元の皆さんが毎日交替で奉仕に当たっていて、年に数度ある神事の際には、伏見の稲荷大社から神官が来られるというそう。

辰巳大明神や祇園を散策してみよう

祇園白川周辺は歴史が感じられる美しい街並み。そんな中にある辰巳大明神も街並みにマッチしていて情緒あふれる素敵な場所です。幕末のエピソードも豊富で歴史好き・京都好きの方にはおすすめのスポット。タイムスリップしたような気持ちで散策してみてはいかがでしょうか。

※この掲載記事に関して、誤字脱字等の修正依頼、ご指摘などがありましたらこちらよりご連絡をお願いいたします。

  この記事を書いた人
ゆかた さん

コメント欄

  • この記事に関するご感想、ご意見、ウンチク等をお寄せください。