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【やさしい歴史用語解説】「天孫降臨」

 今回は史実を離れて、日本神話のお話をしていきましょう。天皇へと続く祖神の物語です。

 天地が創造されて世界がはじまった時、7人の神々が誕生しました。その最後に生まれたのがイザナギとイザナミです。二人はともに海を掻きまわして陸地を作り、これが「国産み」となりました。さらに数えきれないほどの神々を産み出すのです。

 こうして生まれたのがアマテラスという太陽神でした。

※高天原の主神となったアマテラス(wikipediaより)
※高天原の主神となったアマテラス(wikipediaより)

 彼女は高天原を統べる主神となり、世界をあまねく照らしたといいます。ところが弟のスサノオは乱暴者で、その粗暴さに心を痛めたアマテラスは岩戸の中に隠れてしまいました。

 何とか知恵を絞ってアマテラスを引き出すものの、八百万の神々が相談した結果、スサノオを高天原から追放してしまうのです。

 地上へ降りたスサノオはヤマタノオロチを退治して、クシナダヒメを妻に迎えて出雲に留まりました。そしてスサノオから6代の孫にあたるオオクニヌシは、葦原中国(あしはらのなかつくに)という国を作って地上を平定したそうです。

※葦原中国を作り、出雲大社の祭神となったオオクニヌシ(wikipediaより)
※葦原中国を作り、出雲大社の祭神となったオオクニヌシ(wikipediaより)

 ところがアマテラスは「葦原中国は我が子が治めるべきだろう」と言い、息子であるアメノオシホミミを派遣させようとしました。ところがアメノオシホミミは下界を覗いてみるなり仰天します。

 「葦原中国は乱れ切っております。とても天下りできません」と。

 そこで葦原中国を平定するべく、アメノホヒが派遣されるのですが、オオクニヌシに心服してしまい、3年経っても戻ってきません。そして力に優れたタケミカヅチとイワイヌシが派遣されて談判に及びます。結果的にオオクニヌシが恭順して国を譲ったことにより、無事に平定が成りました。

 さて、どの神が下界へ降りて地上を統治するのか?神々が相談していると、アメノオシホミミが「私が天下りの準備をしている間にニニギノミコトが生まれたので、この子がふさわしいでしょう」と提案しました。

 こうしてニニギノミコトが地上へ降りることになったのです。アマテラスの孫が地上へ降りるという意味から、これを「天孫降臨(てんそんこうりん)」と呼んでいますね。

※宮崎県高千穂町国見が丘にあるニニギノミコト石像(wikipediaより)
※宮崎県高千穂町国見が丘にあるニニギノミコト石像(wikipediaより)

 ニニギノミコトはアマテラスから授かった剣・鏡・勾玉を携え、猿田彦の先導で高千穗峯へ天下りました。こうしてニニギノミコトは天皇の祖神となり、曾孫にあたる人物が神武天皇となるのです。

 ちなみに「国学」が盛んとなった江戸時代以降、ニニギノミコトがどこに天下ったのか?「高千穂論争」が繰り広げられてきました。臼杵の高千穂なのか?それとも霧島の高千穂なのか?現在でもさまざまな説があり、はっきりしていないのです。

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  この記事を書いた人
明石則実 さん
幼い頃からお城の絵ばかり描いていたという戦国好き・お城好きな歴史ライター。web記事の他にyoutube歴史動画のシナリオを書いたりなど、幅広く活動中。 愛犬と城郭や史跡を巡ったり、気の合う仲間たちとお城めぐりをしながら、「あーだこーだ」と議論することが好き。 座右の銘は「明日は明日の風が吹く」 ...

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